前回はジャカルタのホテルをチェックアウトしたところまででした。ホテルの宿泊記は↓からご覧ください。
ホテルをチェックアウトして向かった先は…
まずはホテル前からトランスジャカルタに乗り北上し、終点の「Kota」で降ります。
コタ地区はオランダ領時代の建物が残っており、エアポートレールリンクの駅があるスディルマン地区の超高層ビルが建ち並ぶオフィス街と全く趣きが異なります。
ただ夜は治安が悪いと言われているので、この辺りに宿泊する方は注意が必要かもしれません。
さて、トランスジャカルタの「Kota」停留所は大きなロータリー上にあり、改札からは地下道に繋がっており、そこから目的方向への出口へ上がります。
私の向かう方向は「Stasiun Jakarta Kota」、ジャカルタコタ駅です。トランスジャカルタの停留所のすぐ目の前にあります。
ジャカルタコタ駅はいかにもターミナル駅といった立派な作りをしており、のりばは12番線まであります。かつてはここからジャワ島内各地へ長距離列車が出発していましたが、現在は長距離列車はわずかに残っていますが、ほとんどはガンビル駅やパサールスネン駅からの発着となり、近郊電車が多数発着する駅となっています。
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ジャカルタの電車 KRLコミューターとは
ジャカルタはご存知の通りインドネシアの首都で人口約950万、ジャカルタ都市圏では3120万人と日本の東京都市圏に次いで世界第2位の人口がいる都市圏となっています。
その都市圏を走る電車が「KRL コミューター」で、運行路線は6路線あります。いずれも郊外の住宅地や近隣都市からジャカルタへの通勤電車のため、市内を移動する際の足として使うというよりは東京で言えば中央線とか埼京線とかのような役割の電車です。
なお、トランスジャカルタや地下鉄のMRTなどを含めた路線図は↓のトランスジャカルタのホームページから見ることが出来ます。
https://www.transjakarta.co.id/peta-rute/
そしてここ数年日本からの中古電車が大量に導入されており、その姿をこの目でどうしても見たかったのです。
現在の主力は元JR東日本の205系電車です。数年前に大量の車両がジャカルタへ行っているというニュースを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その他にも元JR東日本の203系や元東京メトロ千代田線で使われていた6000系、元東急の8500系なども走っています。
どこまで乗るかが問題
どうしても乗りたかったジャカルタの電車ですが、今回は鉄をしに来ているわけではありません。あくまでSFC修行です。
昨日の夜に着いたばかりですがもう今日はインドネシアを出国する日です。帰りの飛行機は16:35発なので、14:00には空港に着いていたい所です。
時間はすでに11:40、あまり時間はありません。ということで決めました。
今回はジャカルタコタ駅から拠点駅の1つでありエアポートレールリンクの始発駅でもあるマンガライ駅まで乗ります。ジャカルタコタからマンガライまではレッドライン・ブルーラインマンガライ駅の風景がなかなかカオスだとも聞いていたので、この目で見てみたいというのもあります。
電車に乗るためにまずはきっぷを買う
KRLコミューターのきっぷは全てICカードになっています。日本のような紙のきっぷはありません。
前回のブログで書いたFlazzカードも使えるのですが、ここはKRL JABODETABEK仕様のカードが記念に欲しかったので、1回用乗車券を買います。
1回用乗車券もICカードなので購入する際は運賃の他にデポジットも必要で、カードを返却するとデポジットは戻ってきます。
駅の改札の向い側に窓口や券売機がある部屋があるのでそちらで購入します。ちなみに「loket」がカウンター、「CVIM」は券売機の意味です。
券売機はタッチパネル式で、まずは言語を英語に変え目的地を選び、お金を入れるとICカードが出てきます。難しいことはありません。
改札を通り十数年ぶりの205系電車に乗車
無事にきっぷを買えたので、改札を通り電車に乗ります。
改札は日本ではあまりなじみがない、韓国やフランスの地下鉄にあるような、バーがある改札です。
ICカードをかざしてバーを回して中に入ります。
改札を入ると出発時間と乗り場が書かれた掲示板があるので、それに従いマンガライへ行く電車に乗車します。
ホームには205系電車が待っていました。十数年ぶりの再開に感激です。
帯の色はKRLコミューター塗装の赤と黄色になっていますが、外装、内装ともほぼ当時のままで嬉しくなってきます。
金曜日の午前中郊外行きということもあるのか座席に少し空席がある状態でコタ駅を出発します。
コタ駅を出ると高架橋を上がりジャカルタ都心部を南へ向かいます。車窓からは下町っぽい風景を抜け、モナスを過ぎるとジャカルタの高層ビル群が見え、そのうち高架を下り右手から線路が合流してくるとマンガライ駅に到着します。
拠点駅マンガライを少し観察
私が降りたマンガライ駅ですが、4方向に線路が延びる拠点駅となっており電車の発着本数もとても多く、乗り換え客でごった返しています。
乗り換えには構内踏切を使用し電車が入る際に構内踏切を締め切る専属の係員も配置されています。
ちょうど元東京メトロ千代田線で使われていた6000系車両が入線してきました。
日本ではありえない光景ですが、構内踏切用のホームの切れかけにあたる部分もドアカットがされず通常通りドアが開き、そこから乗り降りする人がいます。
そして隣のホームへまたは出口へ向かう人々が電車が出発し踏切が開くのを待っています。
そして電車が出て踏切が開くと一気に横断が始まります。
空港へ行く時間が近づいてきたので、少ししか観察出来ませんでしたが、これは飽きない光景です。続々電車がやってくるのでいつまでも見ていられます。
そしてこれだけ多くの人が乗ってくれているのは、昔同じ車両に乗っていた身でもあるのでなんだか嬉しいです。
今度は修行ではなく旅行で来たいです。
なお、マンガライ駅ですが現在高架化工事が進んでおり、今後しばらくは年を追うごとに様子が変わっていくのでは?と思います。
ここからはエアポートレールリンクに乗りスカルノハッタ国際空港へ向かいます。
マンガライ駅でKRLコミューターからエアポートレールリンクへの乗り換え方
なかなか旅行者でマンガライ駅からエアポートレールリンクに乗るという方も少ないと思いますが、KRLコミューターから乗り換えが出来ることができます。トランスジャカルタでBNIシティまで来てそこから乗り換えるよりある意味楽に乗り換えることができると思いますので、方法を書いておこうと思います。
KRLコミューターでマンガライ駅に着いたら、1~8番線のどこかに到着します。エアポートレールリンクは9,10番線から出発します。
KRLコミューターとエアポートレールリンクは運賃体系が別なので、別途運賃を支払う必要があります。その方法が少し複雑です。
まずKRLコミューターでマンガライ駅に着いたら、9,10番線を目指して踏切を渡ります。一応「Airport train」と看板が出ているのでそちらに向かいます。
そして9,10番線のホームに着くと簡易型ICカードタッチ機があるので、そこにKRLコミューターのICカードをタッチします。すぐ横にエアポートレールリンクの車両が止まっている場合はそのまま乗り込みたくなりますが、まだ乗れません。無賃乗車になってしまします。そのためエスカレーターを上り2階に上がるとエアポートレールリンクの券売機があるのでそちらできっぷを購入します。買い方は前回のスカルノハッタ国際空港からと同じです。
なお、こちら側にはKRLコミューターのICカードを返却する窓口はないので、デポジットを戻すことは出来ません。
きっぷを買った後は再びエスカレーターを降り乗車します。
エアポートレールリンクでスカルノハッタ国際空港へ
マンガライ駅からエアポートレールリンクに乗り込みました。
エアポートレールリンクの車内からKRLコミューターのホームを見た画像です。これだけ見ると東京近郊のどこかみたいに見えなくもないですね。
そしてエアポートレールリンクは相変わらず乗車率は悪いです。本当に先行きが不安でなりません。
がらがらの車両は定刻にマンガライ駅を出発します。先ほど乗ってきたKRLコミューターのレッドラインの線路と別れ列車はまず都心部の駅BNI Cityに向けて進みます。こちらはKRLコミューターのイエローラインと線路を共有しています。
マンガライ駅を出てすぐに列車は住宅街を進みます、その後ビル群が見えてくるとBNI City駅に到着です。ここがジャカルタの都心側乗車駅なのですが、乗客はわずかです。
BNI Cityを出て列車は次第にスラム街の中を進みます。昨日は夜だったので全く景色が見えなかったのですが、線路際にスラムが広がっている光景は世界中よくありますよね。
そのうち左側からブラウンラインの線路が合流するとドゥリ駅に到着です。ここも乗換駅なので、電車を待っている乗客は多いですがエアポートレールリンクに乗る人はほとんどいません。
ドゥリ駅でスイッチバックをしてイエローラインのからブラウンラインの線路を西へ進みます。
しばらくはスラムっぽい景色を進みますが、そのうち郊外に出て時折田んぼも広がるのどかな風景になってきました。
最後の停車駅バトゥチェペル駅を出ると次はスカルノハッタ空港駅です。
スカルノハッタ空港駅の改札は一番前のため、都心側から空港へ向かう場合は一番後ろに乗ると便利です。(ドゥリ駅でスイッチバックするので、都心部で一番後ろの車両が空港に着く時点では一番前になります。)
列車は時刻通り空港に到着しました。やはり渋滞に左右されないのは鉄道の強みですね。ですがやはりバスと違いターミナルに直結していない点や値段が高い点などからか利用客は少ないです。
次回はスカルノハッタ国際空港での過ごし方について書く予定です。
書きました。↓からご覧ください。
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